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生物を知れば、濤沸湖がもっとオモシロイ~植物編

濤沸湖は、川と海の水が入り混じる汽水湖のため、湿地は塩水にひたされています。そのため、塩性が強くても生育できる塩生植物のアッケシソウやシバナ、ウミミドリが見られます。

また、地表や土壌の状態、性質の変化に合わせて、植物種も変化するため、濤沸湖の海側にある小清水原生花園では、海岸から湖までの短い距離の間に様々な植物を見ることができます。

波や風によって地表の状況が変わる砂浜や砂丘は、栄養が不足した場所でも育つ植物が見られ、そこから内陸に向かうと、安定した立地の海岸草原へと変化します。

植物分布図

 

変化に富んだ環境にさまざまな植物

 淡水湿地帯の植物

淡水湿地帯は、塩水の影響を受けない一般的な湿地で、ヨシやヤラメスゲの群落、ヒオウギアヤメの群落、ハンノキ林が分布しています。

 塩性湿地帯の植物

塩水あるいは汽水で潤(うるお)されている湿地では、シバナやエゾツルキンバイなどの群落が分布し、秋にはアッケシソウの群落も見られます。

 水生植物

湖の奥には淡水性種が分布しています。湖の口から中央にはコアマモやジュズモ、湖の中央から奥にはホザキノフサモ、リュウノヒゲモなどの群落が見られます。

ハンノキ(ヤチハンノキ)
カバノキ科ハンノキ属

学名:Alnus japonica

英名:Alder

ハンノキ

樹高は15~20m、直径60cmほどになる落葉広葉樹。低地や湿地に自生。根が冠水しても生育する。比較的やせた土地にも生息する。昔は、樹皮、果実を染料にした。

ヤチダモ(タモノキ)
モクセイ科トネリコ属

学名:Fraxinus mandshurica var. japonica

英名:Japanese ash

ヤチダモ

樹高30m、太さ80~100cmになる落葉広葉樹。「谷地(やち)」に生息する。ハンノキ同様、根が冠水しても生育する。木材は硬質で弾力性に富むため、野球のバットやテニスのラケットに使用される。

ハルニレ(アカダモ/ニレ/エルム)
ニレ科

学名:Ulms davidiana var. japonica

英名:Japanese elm

ハルニレ

樹高30m、太さ150cmになる落葉広葉樹。肥沃(ひよく)な地を好む。葉はやや厚くてざらつきがある。エゾシカが樹皮を好んで食べる。公園や街路樹にもよく植えられる。

ヨシ(アシ/キタヨシ)
イネ科(抽水植物)

学名:Phragmites australis

英名:Reed

ヨシ

草丈が100cmになる多年草。パスカルの「人間は考える葦(あし)である」の葦はヨシのこと。「葦」は「悪し」に通じるため「良し(ヨシ)」と呼ばれるようになったといわれる。

ヤラメスゲ
カヤツリグサ科スゲ属

学名:Carex iyngbyei hornem

ヤラメスゲ

高さ70~80cm。潮の混じる湿地、海岸などに生育する。

フトイ(オオイ/マルスゲ)
カヤツリグサ科ホタルイ属(抽水植物)

学名:Schoenoplectus tabernaemontani

英名:Bulrush

フトイ

湿地や浅い池などに生息する大柄な多年草。高さは2mほどになるものもある。地下茎は太くて横に伸び、全体としてはまばらに花茎を立てて大きな群落を作る。

ガマ
ガマ科ガマ属(抽水植物)

学名:Typha latifolia

英名:Cattail(Reed mace)

ガマ

高さ1~2mで水中の泥の中で地下茎を伸ばす。夏に茎を伸ばし円柱形の穂をつける。穂の下部は、め花の集まり。赤褐色で太く、ソーセージに似ている。

ミクリ
(オオミクリ/カドハリミクリ)
ミクリ科ミクリ属(抽水植物)

学名:Sparganium erectum

英名:Bur reed

ミクリ

高さは1.5mを超える大型の多年生草本。沼や沢の流れの緩やかな水路などに生育する。和名は、直径2cmほどになる実が栗のイガに似ていることによる。

ヒオウギアヤメ
アヤメ科アヤメ属

学名:Iris setosa

英名:Beachhead iris

ヒオウギアヤメ

高さは70cmほど。花期は6月から7月。葉はアヤメよりやや幅広い。和名は、葉の出方が檜扇(ひおうぎ:ヒノキの薄い板を重ねた扇)に似ることによる。

アッケシソウ(サンゴソウ)
アカザ科

学名:Salicornia europaea

英名:Common glasswort

アッケシソウ

塩性湿地に生息する。湖に接する陸地や内陸で、平均冠水位から満潮水位の間の高さに発達する。秋になると茎、枝の濃緑色は紅紫色へ変化する。

エゾツルキンバイ
バラ科キジムシロ属

学名:Potentilla egedei var. grandis

 

エゾツルキンバイ

多年草で海岸の塩湿地に生える。ランナーと呼ばれる長いほふく茎をはわせる。花は直径2~3cm、黄色いウメのような花を咲かせる。開花は5月~7月。

マコモ(ハナガツミ)
イネ科マコモ属

学名:Zizania latifolia

英名:Wild rice(Water oats)

マコモ

水辺に群生し、成長すると1.5mほどになる。マコモダケとして食用されるほか、マコモダケから採取した「マコモズミ」は、お歯黒、眉墨、漆器の顔料などに用いられてきた。

ドクゼリ
(万年竹/延命竹/タケゼリ)
セリ科ドクゼリ属

学名:Cicuta virosa

英名:Cowbane(Northen water hemlock)

ドクゼリ

ドクウツギ、トリカブトと並んで日本三大有毒植物の一つとされる。セリにやや似るが大型で地下茎は太く、タケノコ状の節がある。茎は中空。上部で枝分かれし、高さ80~100cmになる。

毒を持った植物に注意

野外には、ウルシやツタウルシなど触れるとかぶれを起こす植物があります。長袖シャツ、長ズボン、軍手を着用して肌を出さないようにすることが必要です。

誤ってさわった場合は、患部をよく水洗いして清潔にしてから、抗ヒスタミン成分を含むステロイド系軟膏を塗りましょう。こすったりかいたりすると広がります。

エゾトリカブト、ベニテングダケなどの毒草や毒キノコなどもあります。十分に注意し、誤食した場合は早急に吐き出して、病院で手当てを受けてください。