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濤沸湖がわかる10のキーワード~07 ワイズユース

「賢明な利用」という考え方

湿地の恵みを受け継いでいくために
ワイズユースとは「湿地の生き物のつながりである生態系を維持しつつ、人々の暮らしのために湿地を持続的に利用していくこと」です。
新しいことばのようですが、昔から自然の恵みを受けるときは、環境を荒らさない、資源がなくなるまで獲らない、という事を実践していました。
このような考え方が、将来にわたっても湿地の恵みを受け継いでいくためにとても重要です。
漁業者と地域が守る湖の環境
濤沸湖は汽水湖のため、生息する魚種が多く、明治時代から魚場として利用されてきました。昭和になると、佃煮の原料となるスジエビや、魚粕や魚油に加工されるトゲウオ、メナダなどが多く水揚げされました。最も多く獲れたのはワカサギ。昭和3年(1928)年には、浦士別にふ化場がつくられ、ワカサギのふ化事業が始められました。
昭和45(1970)年頃から湖底が泥化するという環境変化が起こり、それまで獲れていたヤマトシジミが激減しました。以来、漁業者と漁業協同組合が、魚種ごとの漁期や漁法に関する自主的制限を設けているほか、地域の人たちが、湖周辺のごみ拾いやパトロールなどの環境保全活動を行っています。
漁業者と地域が守る湖の環境現在の濤沸湖では、ワカサギ、スジエビ、ニシン漁のほか、カキの養殖などが行われています。また、ワカサギの人工ふ化放流に使われる種卵を全国の湖沼に供給しており、その全国に占める割合は約2~3割。網走湖に次ぐ供給基地となっています。
濤沸湖は汽水湖のため、ニシンなどの海の魚が産卵場に使ったり、海で生まれたクロゾイなどの稚魚が入り込んで成長の場となったりしています。また、サケやカラフトマスは、濤沸湖の上流に遡上(そじょう)し、産卵します。そこで生まれた稚魚は海に出るまでの間、濤沸湖で生育することから、沿岸の漁業にとっても重要な湖です。
環境負荷の少ない循環型農業
環境負荷の少ない循環型農業濤沸湖周辺には、広大な農地が広がっており、麦、馬鈴薯、てんさいなどの農作物が作られています。
かつては、河川流域からの土砂が、湖に入り込むことがあり漁業に影響を与えたことがありました。そのため、濤沸湖の漁業者と濤沸湖周辺の農家は、お互いに「第一次産業の共存」という意識を持ち、湖への土砂の流入がなくなるような工夫をしています。
また、濤沸湖周辺では「循環型農業」が行われています。これは畑作農家、酪農家、でん粉工場が、それぞれから出る副産物やふん尿などをただ捨てるのではなく、有効に利用する取り組みです。
循環型農業によって、畑の地力が向上し、農薬使用量が減り、生産性も高まり、結果として環境負荷を減らす事にもつながっています。